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エポキシレジン(2液レジン)で激エモな植物の封入標本を作る!

前回の記事はこちら

 

scatmanbo.hateblo.jp

 

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こんにちは。

年をとる毎に年々「新しい事」を始めるハードルが高くなり、反比例して体が重くなるのを実感しますね。

更に子育て等が加わると尚更新しい事を始める時間もコストもなくなります。

楽しいし、生きがいですねどね。子育て。

しかしそうは言ってもそればかりでは息も詰まるし、飽きるとは言いませんが単調で刺激の無い日常になってしまいます。

ゴハンばかりじゃなく、たまにはパンも食べたい!

と、そんな心境から

今回はエポキシレジンを使ったレジンキャストに挑戦しました。

低コストでそれほど手も時間も食いませんし。

ジンキャストとレジンの種類

そもそもですが、レジンキャストというのはレジン使って色々作る事です。

元も子もないんですがそういう事なんです。レジンて何?って人は調べて下さい。なんか透明なプラスチックみたいなやつです。

そして一口にレジンキャストと言いましても、レジンには

UVレジンエポキシレジン(2液レジン)というものがあります。

どちらも長所と短所があるんですがそのへんの事情は調べれば凡そ分かるので

詳しい違いが知りたい人は調べてみたらいいと思います。

簡単に言うとUVレジンが紫外線で硬化するレジンで、エポキシレジンは2液を混ぜると硬化するレジンです。

今回私が使うのはエポキシレジンです。

理由はUVレジンより安いからです。UVライトを購入する必要も無いですし。

一応UVレジンも太陽光の紫外線で硬化できるみたいなんですが

太陽光で固まるの待ってたらUVレジンの「すぐ固まる」って長所が死にますからね。

必要なもの

ジンキャスト(エポキシレジン)に必要なものは以下になります。

必須なもの

・レジン液

・モールド(シリコンの型)

・計量カップ(シリコン製)

・レジン液を混ぜるカップ

・レジン液を混ぜるヘラ

 

あると便利

・キッチンスケール(レジン液によって必須な場合もアリ)

・ゴム手(レジン液は洗っても落ちない)

・レジン用着色インク(色つけたい場合)

・真空脱泡機(レジンの中の気泡を完全に除去したい人用。バカみたいに高い)

 

ざっとこんな感じですが、今回私が用意した物のみ詳しく説明していきます。

まずレジン液。

こちらのレジン液を購入しました。

理由は容量に対する値段が安かったから。それのみです。

レジン液も質とかあるみたいですが、まぁ最初だしどうせ失敗するしなので拘らなくていいかなと安いものをチョイス。

 

次にモールド

モールド(レジンの型)はこれ。

キューブが作りたい(後述)ので真四角の立方体のモノ。

ただこの商品、めちゃくちゃ歪んでたんで買わないほうがいいです。他に似たのいっぱいあります。

 

次に計量カップカップとヘラ

シリコン製の計量カップはレジン液に付属してました。

と言うか、初めてなので計量カップ付属のエポキシレジン買いました。

混ぜる用のカップとヘラは100均で買いました。紙コップとアイスの棒みたいな木の棒。

エポキシレジンについて調べると

「くまなく混ぜるために製菓用のゴムベラが良い」とか書いてありますけどそんなもん必要無いです。

カップについてもシリコン製のカップであれば使いまわしできるんですが

固まったレジン剥がしてカスを除去したりする手間考えたら1回毎に紙コップ使い捨てた方が楽ちんでした。

 

次にキッチンスケール

これは家にもともとあったものを使用します。

1g単位でしか測れないものですが十分です。

エポキシレジンの種類によっては2つの液を体積比で混ぜるヤツと重量比で混ぜるヤツがあるみたいなんですが

重量比で混ぜるヤツの場合はスケールは必須ですね。

逆に体積比で混ぜるヤツは計量カップが必須です。

私が今回買ったレジン液は体積比で1:1

重量比でも1:1で混ぜればいいヤツだったのでどっちでもOKでした。

 

最後に真空脱泡機

買えるかそんな高いもん。

amazonで一番安いやつでも18000円くらいします。そんな予算は無い。

しかしやるからにはできるだけ気泡の入っていない作品に仕上げたい。

かと言って、エポキシレジンは2液を混ぜた瞬間から硬化が始まるので泡が浮いてくるのを悠長に待つわけにもいかない。

という事で色々調べた結果たどり着いたのがこちら。

竹炭 丸型真空おひつ SV-3086

竹炭 丸型真空おひつ SV-3086

  • 富士パックス販売(Fujipacks Hanbai)
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真空おひつです。

完全な真空にはなりませんが手動で減圧ができるので脱泡には効果がありそうですが果たして・・・。

価格も3000円とまぁギリで・・・ギリで買える範囲内。ギリでね。

半額くらいの真空おひつもあったんですが蓋が透明じゃないので却下。

蓋が透明じゃないと脱泡の進み具合が見えないからね。

 

植物の封入標本て?

材料も揃った所で、さぁ何を作るのかと言いますと

植物の封入標本です。標本とかアカデミックな言い方するとアレなんですが

要するに植物の種とかそういうのをレジンで固めるってだけです。

発端は

「どんぐりとか草木の種とかをレジンでキューブにして積み木代わりに子供に遊ばせたら激エモな写真が撮れるんじゃね?」

「その写真が万バズこいて一躍有名になりゆくゆくは億万長者じゃね?」

って思ったからなんですが、結論言いますとキューブのエッジが尖すぎて危険なので積み木代わりは無理でした。怪我するからね。

角を落として研磨すりゃいいんですが費用もかかるし何より研磨は手間が膨大にかかるので今回はナシで。

それと、このブログを見れば一目瞭然ですが私は鉱物が好きなんですよ。

というか自然が好きです。自然の作り出した美しいものが好きです。

鉱物は保存性や不変性という点で収集に向くので積極的に集めていますが

本来は植物や動物の作り出す規則正しいパターンや美しい模様も大好きです。

そんな自然を広く愛し、自然からは嫌われる私なので

保存性や不変性にやや難ありの種子などをレジンに封入して

望むと望まざるに拘わらず一方的に永遠の命を与えてやろうと、そういうわけです。

まぁ四の五の言ってないで以下に実際の経過を記しつつ注意点とかも挙げていきたいと思います。

 

実際作ったトライ&エラーの記録

経過というか、まぁ手順なんですけど。

手順と言っても文章にすると「レジン液混ぜて種子ぶちこんで固める」だけで済んでしまうので写真つきで解説していきます。

レジン液

計量

まずはレジン液を混ぜます。私の購入した液は体積比でも重量比で1:1で混合なので

計量カップで同量を測り取ります。

ただ、計量カップでやるとどうしてもカップの壁面にレジン液が付着して残るので重量比で測って最初からA液B液どちらも紙コップかなにかにいれちゃった方が遥かに楽ちんです。

私も2回目以降はそうしました。

だめな例

こういう風に混ぜるとどうしてもカップAにA液の残渣が残っちゃうでしょ?

エポキシレジンは混合比が結構厳密で

ちょっとでも比率が狂うと固まらなかったり、固まり方があまくてベトついたりするらしいので

結構厳密に混ぜてやる必要があります。

なので最初から残渣が出ないように1つのカップで混ぜたほうが楽だし失敗も少ないと思います。

脱泡中

2液を混ぜて脱泡します。

混ぜるのはかなりガッツリ混ぜます。この時気泡が入りまくりますが諦めて下さい。とにかく完全に混ざってないと失敗します。

混ぜる液量にもよりますが私は5分くらいひたすら混ぜます。

特にカップの内側のヘリや角に付いた部分をこそげ落とすよう意識しながら混ぜまくります。

そして混ぜ終わったら脱泡です。

写真のように真空おひつに入れて付属のポンプで減圧します。

上の写真では木べらを入れっぱなしで脱泡してますがこれは失敗例です。

木べら入れっぱなしだと木べらから無限に気泡が出てきます。

横着は失敗のもとですね。

脱泡作業ですが、2液を混ぜて型に流し込む前におこないます。

「型に流し込んだ後、型ごと減圧してそのまま硬化させればいいんじゃないの?」

と思うでしょうがそれだと失敗します。泡だらけになります。

ってかなりました。

少なくともガチの真空脱泡機ではない、真空おひつ程度の減圧だとダメみたいです。

脱泡は必ず型に流し込む前に!

型に流し込む

脱泡の済んだ混合済みのレジン液を型に流し込みます。

そして封入したいモノも投入。

この工程が一番重要で、封入したいモノの性質によってレジン液の流し込み手順が変わってきます。

具体的には「水に浮くか、沈むか」によって工程が変わります。

以下の図を御覧ください。

まず水に浮く性質のモノを封入したい場合。

まずはレジン液を

封入したいものが浮いた時、高さの中心にくるような水位まで

流し込みます。

そして封入物を固まっていないレジン液に投入。

別に封入物を先に入れてもOKです。どうせ浮いてくるから。

その後、1日程待って硬化したら再度型の上限まで液を注入して、また1日待って固めて完成です。

2回に分ける事で封入物を中心に固定する事ができます。

1回でレジン液をすり切りまで入れちゃうと封入物が上まで浮いてきちゃって失敗します。

 

 

逆に水に沈む性質のモノを封入したい場合。

まずレジン液を

封入したいものを置いた時、中心の高さにくるくらい

注入します。そして封入物を入れない状態で1回目の硬化をします。

その後、硬化したレジンの上に封入物を置いて

2度目のレジン液注入。ここで満タンまで注ぎます。

その後硬化させ完成です。

最初から満タンまでレジン液を注いで封入物を入れた場合、

当たり前ですが底まで沈みます。

なので一回レジンで土台を作ってやるんですね。

 

最後に、

「浮くか沈むかなんかわかんねーよ!」

「かと言って水にも濡らしたくないから水に浮かべて確かめる事もできねーよ!」

って場合。

しょうがないんで3回に分けてレジン注入します。

手順としては

1.レジンで土台作って1回目の硬化

2・封入物を硬化したレジンに乗せて、上からレジン液をちょっとだけかけて硬化

3・レジン液を満タンまで注いで硬化

 

です。3回に分けて硬化させるので3日かかります。

この方法、時間はかかりますが先に述べたように浮くか沈むかワカラン物も確実にレジンの中心に封入できる上に

2回目の硬化の段階で封入物を確実に中心に固定できるので仕上がりがきれいです。

1つめと2つめの方法だと、高さ位置は中心に固定できるんですが

どうしてもレジンの中で封入物が泳いでしまうのでトランスアキシャル面方向にズレるんですよね。

3つめの方法だとそれが無いのでキッチリ中心に封入できます。

時間がある人は3つめの方法推奨です。

 

完成品たち

サラっと説明しましたが、私はくまのプーさんに出てくるキャラクターと同じくらいの頭の弱さなので

ここまで来るのにたくさん失敗しました。という事で失敗を含む完成品を御覧ください。

まずこちら。

どうみても右は気泡が入りまくりの失敗作ですね。

これは型に流し込んだ後、減圧したまま硬化するという手順を踏んだせいで気泡だらけになってしまいました。

その上浮く素材なのに沈む素材の手順でやってしまったため浮いてきちゃってます。

左はそこそこうまく行ったヤツですが、

1の手順で封入したためトランスアキシャル面方向に封入物がズレちゃってます。

ただ、脱泡は型に流し込む前におこなったので気泡はかなり少なめです。

左はまぁ成功と言っていいでしょう。ちなみに封入物はジュズダマです。

 

こちらはアサガオの種を封入したもの。

手順的には完璧だったんですが、1回目のレジン注入時に脱泡が甘く細かい気泡がたくさん残ってしまいました。

こちらは3の方法、一番手間のかかる3回に分けてレジンを流す方法で作ったので

封入物であるハチさんは完全にど真ん中に、美しい姿勢で封入できたんですが

2回目のレジン注入の際の脱泡が甘く、細かい気泡が入ってしまいました。

2回目の脱泡失敗なのでちょうどハチさんのいる層に気泡が沢山・・・。

痛い失敗です。

草花の種なんかは素材のストックが沢山できるので失敗してもいいんですが

こういう「たまたま拾えたレア素材」みたいなので失敗すると結構ヘコみます。

ハチの死骸なんて落ちてねーよ!って人、田舎に移住しましょう。

なんなら軒下にアシナガバチとかが巣を作ってくれますよ。(実体験)

写真中央のなんだかよくわからないモノは椿の種です。

検索してみてもらえば「ああ確かに・・・」ってなると思います。

こちらは結構うまく行ったんですが、椿の種の隙間から泡が出てきてしまい失敗しました。

こういう隙間に空気を沢山蓄えてそうな素材は3の方法で封入し

2回目のレジン注入で一回素材をコーティングしてやると気泡が出てこなくなります。

左が失敗どんぐり、

右が成功どんぐりです。

右も完全に成功ではなく、ちょっと最後のレジン注入を気前よく入れすぎて

表面張力で盛り上がったまま硬化してしまい

天面だけ丸みを帯びてしまいました。

ただ気泡はゼロでかなりキレイです。

どんぐりは今の時期いっぱい落ちてて失敗し放題だから気楽ですね。

こっちはクヌギのどんぐり。

これも成功ですが写真が下手すぎて

暗いわ角度が悪いわで何が封入されてるかいまいちよくわかりませんね。

実物はキレイなんですよ。ほんとですよ。

こっちはクヌギの帽子つき標本。

帽子つきは帽子部分のトゲトゲにいっぱい空気が溜まって気泡入りやすそうだな~と思ったんですが

頑張ったらなんとかなりました。成功しました。

ありがとうございます。

失敗作含め結構な数ができました。

これ楽しいです。楽しいし出来上がったモノもキレイですごくいいです。

ダブりの封入物があるのは失敗作の再チャレンジもありますが

そもそもそんな都合よく沢山の種類の種子を拾えないからってのもあります。

おかげで子供と公園に行くとついつい下ばかり見て標本候補を探すようになってしまいました。

蛾の死骸なんか落ちてた日にゃぁ、そりゃもう大興奮で拾います。

特にいまの時期、秋から冬にかけては沢山の木々や植物が結実し実や種を落とす時期なので

公園行くのが楽しくなりますね。

あと冬に寿命を迎える虫も結構死んでていい感じです。

春は春で押し花なんかを作って封入してもきっとキレイでしょう。

夢が広がりますね。

という事でいかがだったでしょうか?

ジンキャストでの封入標本、手軽に始められる敷居低めの趣味としてどうですか?

飽きたら別の形のモールド買ってアクセサリー作ったりもできますし

それこそ植物の種子を封入したアクセサリーなんかもオシャンティーなんじゃないでしょうか?

ではまた次回!

 

工夫を重ねた完成形態標本

追記

せっかくなので写真を追加撮影した現時点での最終製造品も掲載します。

椿の種最終バージョン。

これはうまいこと出来ただろ!って確信あったんですがデカい気泡が1個発生しました。ンギィ…

裏の外皮部分にも細かい気泡がポチポチついてます。ンギギィ…

これらを回避するには外皮と種の隙間(=気泡が残りそうな場所)

に予めレジンを流し込み予備硬化させて隙間を埋めつつ種と外皮の接着をして

それを逆さにして封入する事で外皮の気泡も上へと抜けやすくするしかありませんね。

どんぐり(シラカシ)の完成バージョン。
これに関してはもうほぼ完璧と言っても過言でないです。

形状的に気泡発生する部分ないですからね。

若干中心からズレてますが許容範囲内でしょう。

イケる!という確信があったので帽子にちょっと枝が残っているレア標本を使って作りました。

これ相当可愛くないですか?かわいいですよね。かわいい。(確信)

どんぐりは入手が容易な割に標本映えしてイイですね。

最後はアサガオの種。

こちらも完璧にうまくいきました!気泡ゼロだし種の外皮から生えてる産毛も損なうことなく完全な形で封入できました。

やはり中心からはズレてますが、もう中心に封入するのは諦めます。

1個作るのに3日がかりは流石に面倒なので。

レア標本のときだけ3日かけて作ろうと思います。

どうですか?

激烈にエモいキューブができましたね。

日常の中にさり気なくこんな洒落た小物が存在していたらさぞ素敵な事だと思いませんか?

 

おまけ

家の近くに素晴らしい公園があったので封入する標本のタネがかなり潤いました!

その公園、モミジバフウメタセコイアクヌギシラカシは勿論

椿も生えてるし、果てはオニグルミまで植わっています!

(写真1枚めと2枚め)

当然虫もいっぱいいるのでスズメバチの死骸やセミの抜け殻なんかも拾えます。

(写真3枚め。蛾は別の公園でゲット)

4枚めの写真は右3つの瓶がホオズキです。

ばーちゃん家で捨ててあったのを拾ってきて透かしホオズキ作成中。

左の瓶はオニグルミの果実を腐らせ忠です。

いやぁ~!楽しいなあ!(狂気)

 

おまけのおまけ

なんだかんだで椿の種の気泡ゼロ標本を諦めきれないので

ラス1の良サンプルで種を接着して逆さにした状態で封入を試みます。

種の接着だけで2日かかります。

封入含めて4日かかります。すんごい手間かかる・・・。

 

次回記事かきました

 

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