前回の記事はこちら
コンニショワー!
本日も鉱物紹介の方していきたいと思います!
今回はゼブラストーン コランダム 水入り瑪瑙の3点となります!
では早速1点目のゼブラストーンから
ものの見事にシマシマです。この石2つ持ってたハズなんですが
補欠の方のもう一点はどっかに仕舞い込んじゃって探すの面倒だったので写真撮りませんでした。
そのうち出てきたら紹介します。
オーストラリア原産の石で、名前の由来は言わずもがなでしょう。
宝石とか鉱物じゃないのも一目瞭然で結晶構造は持ってません。
堆積岩の一種ですね。
これはたまたま綺麗にしましまですけど、薄い茶色と濃い茶色が層になったような石です。
このしましまについて、何故このようなしましま模様ができるかは解明されていないそうです。
一説には「リーゼガング現象」によるものだとも言われているようです。
瑪瑙なんかの縞模様もリーゼガング現象ではないかとされているそうですが、確証は無いようです。
リーゼガング現象については調べてみたんですが小難しくて脳が理解を拒んだので
興味がある方は
ウィキペディアの記事をどうぞ。
続いて2点目のコランダムです!
こちらです。母岩中に見える赤いぶつぶつがそうですね。
コランダムっていうのは鋼玉の事で、酸化アルミニウムの結晶です。不純物が無いものは無色透明なんですが、
混じる元素によって赤くなったり青くなったりします。
この標本は混じり物多すぎて透明ですら無いですけど。
もうお分かりの通り(?)
コランダムにクロムが不純物として混じると赤いルビーに
鉄やチタンが混じると青いサファイヤになります。
鉱物や宝石に馴染みの無い人は驚くかもしれませんがルビーとサファイヤは同じ鉱物って事です。
話は戻って写真の標本は赤いのでルビーという事になりますね。
一枚目の写真のラベルに記載してある通り母岩がクロム雲母なので、クロムを含んでルビーとなったのでしょう。
まぁルビーって呼ぶのがおこがましい程質の低い結晶ですが。
ところでこの写真を見ても分かるとおり、母岩がヒビだらけです。
そうです。クロム雲母は(というか雲母は)非常にやわらかい石です。
モース硬度で言うと3以下です。だからすぐ割れちゃうんでしょうね。
ちなみにクロム雲母単体では
こちらの記事で紹介してますのでよろしければどうぞ。
ちなみに標本のヒビについては、分かってて購入しました。他にもヒビの無い標本も沢山売ってたんですが、何故あえてヒビの入った物にしたかと言うと
コランダム含有量が多めなのに安かったからです。
当然ですが鉱物標本は同じ種類でも2つとして同じものは無く、見栄えの良い方が値段は高くなります。
なるべく見栄えの良いやつが欲しい。けど高いのは嫌という事でヒビは妥協する事にしたのです。
所で先程書き忘れましたがコランダム自体のモース硬度は鋼玉を名乗るだけあって9です。
最高硬度のダイヤモンドに次ぐ硬さなので工業製品にも利用されたりします。
わかりやすい例が機械式腕時計の軸受けですね。私も自動巻きの機械式腕時計を使用していますが、裏がスケルトンになっており軸受部分にルビーが使われているのが見えます。
写真は撮影し忘れたので後ほど掲載しますね。
掲載しました。
分かりますかね?ピンクの小さい点がルビーです。ところでなんでこういうのってルビーなんですかね?
サファイヤでもいいと思うんですが。
話を戻しまして。
この標本実は蛍光します。
かなり鮮明に蛍光するので綺麗です。数年前から蛍光鉱物がもっと欲しいなと思いはじめたのもあり食指が伸びた標本でもあります。
最後、水入り瑪瑙です!
水入り瑪瑙なんですよ・・・。ぜんっっっぜん水が入っている様子が見えませんけど。
強い光に透かして振ってみると気泡と水が中でチャポチャポするのが見えるんです。
話は戻りますが、この瑪瑙のしましま模様もリーゼガング現象によるものなんですかね?
しましま模様は置いといて、表面が磨いてある為かなりガラス質な質感でなんとなく握っていたくなる感じの石です。
光で透かすとかなり透明な事がわかります。
どんなに頑張っても写真に収めることが出来なかったんですが、本当に中に気泡と水が入ってるんですよ・・・。
一体何千年前、ひょっとしたら何億年前の水が閉じ込められているんでしょうね?
ロマンがスゴイです。
ところで「中に空洞」「中に水」というとアレを思い出しますね。
そうですジオードです。ジオードの成り立ちについては前回の記事で紹介してますので、
興味のある人は是非ページ冒頭のリンクから見てみて下さい。
前回説明した事の繰り返しになりますが、ジオードの成り立ちとして
「中空の石の内部にミネラルが染み込み、結晶化する」事で出来ます。
つまりこの水入り瑪瑙はジオードができる過程の石という事です!なんというロマンのある石でしょう!
見た目は何の変哲もない地味な色の瑪瑙ですが、実はこんなにも素晴らしい標本なのです!
もしかしたらこの水入り瑪瑙も割ってみたら中の空洞に結晶が出来かけているかもしれませんね!
そしてこの中に閉じ込められた水も放っておけばこの先何千年、何億年もかけて徐々に染み出して行きいずれは
「水入り瑪瑙」から「水入ってない瑪瑙」になる事でしょう。
なんというか、表現し難いですが悠久の時を感じます。
以上いかがだったでしょうか!
今回は「綺麗どころばかりが鉱物標本の良さじゃない」という良い例を紹介できたかと思います!
ではまた次回!
次回分もできましたー