前回はこちら
前回の紹介記事で豚バラそっくりな石があるよ~っていう話をしてそのうち紹介するよ~って書きました。
そのうちって今さ!という事で今回は
ジプサム(自然石膏)、スピネル、猪肉石です。
まずジプサムですが、石膏です。骨折した時にギプスで使われたりするあの石膏です。それの自然にできたやつですね。
ジプサムは見た目によって呼び方が変わるんですが私が所持しているのは「セレナイト(透石膏)」と「サテンスパー(繊維石膏)」の2種なのでそれぞれ紹介していきます。
まずはサテンスパー
これがサテンスパー。なのに「セレナイト」って書いてあるのは一般的に自然石膏の無色なものをセレナイトで一括りにする風潮があり、購入したお店でも「セレナイト」の名称で売っていたからです。
というか、「セレナイト」の中の小分類として「サテンスパー」があるのかな?そのあたりはよく分かりません。今回は区別の為セレナイトとサテンスパーで呼称分けます。
このサテンスパー、よく「セレナイトタワー」という名前で塔みたいな形になって売られてます。あと「セレナイトランプ」と名付けられて意識高めの照明器具として売られたりもします。
私のもってるタワーは手のひらに握り込めるくらいのサイズです。
サテンスパーは繊維状の結晶なので縦方向に裂けるようなへき開をする為にこのような形が作りやすいんですね。
それとこのサテンスパー、天然の光ファイバーのような構造なので繊維に沿ってライトで照らすと反対側から光が突き抜けます。
そしてこっちはセレナイト
もう一目で違いが分かると思います。端っこのあたりがわかりやすいですが透き通ってるでしょ?
どうです?割れ方も先程のサテンスパーと違って「薄く剥がれる」ような感じです。
このセレナイトの標本、透明度高くてサイズ大きくてとても気に入ってます。
そして産地「クリスタルの洞窟」で有名なメキシコのナイカ鉱山です!知らない人は是非ググって下さい。ファンタジーの世界が広がってますよ。
ちなみにクリスタルの洞窟なんて名前ですが、実際は水晶じゃなくてジプサムの結晶です。もしかしたら私の持ってるセレナイトもこの洞窟の一部だったのかもしれないと思うと夢が広がります。
話が脱線しましたが、セレナイトもサテンスパーも含むこのジプサムという石、非常に脆いです。モース硬度2くらいです。すぐ割れます。
あと水分に弱く水に溶けちゃいます。流石に空気中の湿気で溶けて無くなるなんて事はないですが、保管は注意したほうがいいですね。
まぁ、かなり安い部類の石なんで万が一ダメにしちゃったら諦めて買い直すのもアリかもしれないです。
2種類目はこちら
スピネルです。レッドスピネルですね。
このスピネルという石、色も鮮やかで八面体の結晶になるので鉱物標本として「コレクションしたぞ!」感が強いです。何言ってるか分かんないと思いますがとにかくそんな感じです。
八面体でよく見るフローライトと違ってこっちは天然の八面体なのもポイント高いです。
このスピネル、透明度の高い宝石質な物について昔はルビーやサファイヤと間違えられていたくらい美しい石です。大きい結晶は非常に産出量が少ないそうですが。(上の写真のスピネルも5mm以下です)
オマケでもらったスピネルの結晶をマクロレンズで撮ってみましたがなんかボケました。すごいちっちゃいんだもん。
しかしこのサイズでもしっかり八面体なんだから大したもんです。
最後はコレ!
いわゆる肉石です。中国では「猪肉石」というらしいのでそっちが正式名称でしょう。
もうこれ豚バラ肉でしょ!ってくらい肉ですよね?でも石なんです。着色もしてない天然でこの配色ですよ。
この石は私が猪肉石の存在を知って以来、欲しくて欲しくて震えながらネットで血眼になって探し続けた末、ヤフオクに出品されてる物を発見し秒で購入した思い出深い石です。しかも驚異の800円でした。やっっっっっっっす!!!
カルサイトという石で出来てます。「肉石 販売」とかそういうワードでググると龍香堂っていうネットショップが同じような石を出品しているんですが、これが酷い!
まず、(十中八九)瑪瑙じゃないのに「瑪瑙」と堂々表記してます。
恐らくかの有名な台湾の「肉形石」が瑪瑙でできているので勘違いしているのか、それとも分かった上で瑪瑙のほうが希少で高価だから瑪瑙と表記しているのかわかりませんが真っ赤な嘘です。カルサイトです。
現物見たわけじゃないので100%言い切れませんが、先ず間違いなく瑪瑙じゃないです。
しかも価格が数万円とバカみたいに高値です。確かに瑪瑙だったら数万はするでしょう。下手すりゃ数十万、数百万でしょう。
でも瑪瑙じゃないからね。値段そのものに価値を見いだせる奇特な人以外は龍香堂で買っちゃダメですよ。
また話が逸れましたが、この猪肉石、ヤフオクや通販サイトで売られている物をよく見ると大半のものに小さな穴が空いてます。
私の持ってる物も写真で分かる通り穴が空いており、組紐で装飾がされています。
恐らく中国では鉱物標本というよりお土産として流通してるんでしょうね。ネットで売ってるものはお土産として売られている石の紐を外して転売しているんだと思います。
また話が逸れますが龍香堂で売ってる10万前後するボッタクリ肉石にも同様に穴があいてる物があります。
よく考えてほしいんですが、本当に瑪瑙で高い価値があるとすれば、10万する高価で希少な標本って事ですよね?
そんなもんに軽々しくワケワカラン謎の穴あけます?普通。
どー考えても中国土産の石の紐外して暴利で売ってるだけでしょ・・・。
話を戻します。
この肉石って日本のミネラルフェアであまり見かけないのは「石として」「コレクションとして」の需要があまり無いからでしょうか?私は好きだけどなこういうの。
という事でいかがだったでしょうか?
次回も3点くらい紹介したいと思います!
次回分もできました!