前回の記事はこちら。
こんにちは。去年から引き続き家庭菜園は継続しているんですが、あまりにも代わり映えしないし、面倒くさくて特に記事にすることもないかなと思って記事にはしてなかったんですが、
去年と違い、今年は一つだけ新しい試みを行いました。
冬って畑、空くよね。
家庭菜園の種まきや植え付け時期って多くが4~6月くらいで、収穫が7月~9月くらいじゃないですか。
勿論秋植えで翌年収穫の野菜もある事はあるんですが、初心者向けじゃないんですよね。
殆どの家庭菜園を取り扱ったホームページで初心者向けとされているのが
(そして更にその中でもただ放置していれば収穫までできてしまう手間いらずなのが)
枝豆とか、きゅうりとか、シシトウとか、春植えのやつばっかりです。
以上の理由から我が家庭菜園は夏以降一切稼働していない状況になってしまって
雑草の繁茂が凄い事にるんです。
サツマイモってどうだろうか?
という事で、夏終わりくらいから植えられて、植えた後は放置してれば勝手に育つような何かが無いか探してみたんですが、その結果として
サツマイモ
が、いいんじゃないかという結論に至りました。
まぁ、サツマイモって蔓返しとかで若干手間がかかるし、何より
サツマイモの苗(つる)を園芸店とかホムセンで買うと高い!!
普通に一束700円とかするんですよ。700円出すならスーパーで普通にサツマイモ買うっての。
じゃあスーパーでサツマイモ買ってきて、自分で「芽出し」して苗作ればいいじゃん?
とも思いましたが、この「芽出し」の作業がまた面倒くさい!
ちょっと調べて貰えば分かるんですが、温度管理に水換えに、とんでもなく手間がかかります。
これじゃあ放置栽培という根底が崩れてしまうのでダメ。
こういった理由からサツマイモは完全に諦めかけていたんですが、
その時ふと私は思いました。
「逆に、一切手間も金もかからない方法で育てた場合、サツマイモはできるんだろうか?」
と。逆転の発想ですね。
もし、色んな菜園系サイトにかいてあるようにアレコレ手間をかけず、
芽出しも栽培も完全放置でサツマイモが収穫できてしまうのならそれはとても素晴らしい事です。革命と言っても過言ではありません。
ってことで私がサツマイモ放置栽培の先駆者となるべく実践してみました。
完全放置で芽出し作業
まず、サツマイモの「苗(というか蔓)」が手に入らないと話になりません。しかし先程も言ったとおり、買うと高いし芋からの芽出しはメチャクチャ面倒。
そうは言っても私の場合自力での芽出し以外の選択肢は無いので芽出しを行います。
芽出し作業は水耕栽培?と温床栽培?があるようなんですが、どちらの方法に関しても
芋は50℃くらいのお湯で殺菌しろだとか、
水は3日に1回変えろだとか、
日の当たる所で温度管理しろだとか、
藁と米ぬかを容易しろだとか、
米ぬかを発行させて温度上げろだとか、
ンマァーーーー面倒くさい!!!
当然そんな面倒な事ややりたくないです。だからやりません。
ということで私流の芽出しは
「庭に転がってるプランターに芋入れて土かぶせて放置」
コレです。放置は外の日の当たる場所で行います。当然水やりもナシ!
芋は我が家で食べ残され、パントリーで2ヶ月くらい放置された品種不明のサツマイモを使用します。
芽出しの時期も、本来は3月くらいからやるらしいんですが4月中旬になってしまいました。まぁいいでしょう。そういうの知りません。
芽が出なかったらオメーは土に還るだけだが?くらいの厳しさで種芋君には頑張ってもらいます。
この時点では記事にする気がなかったので写真はありません。すみません。
芽が出たよ
完全放置で水やりさえ行なわず、雨と太陽だけで芽出しを行っていたため、ぶっちゃけその後サツマイモ君の存在を忘れてしまいました。
しかし!ふと思い出し6月中旬ごろに何気なくプランターを覗いてみた所
はい。芽が出てました。実に2ヶ月がかりの芽出しです。
普通はもっと早く、もっと長い芽が出るようなんですがそこはそれ、放置栽培ですからね。芽が出ただけで御の字です。
芽が出たって事で、当然根も張り始めている事だろうと思いプランターから掘り出して地植えにする事にしました。
掘り出しって言っても、芋見えてますけどね。
そしてこれが地植えに移行してから2週間後くらいの写真です。
葉っぱがだいぶ増えてきましたね。ただ、芋づるってもっとこう長く伸びるもんだと思ってたんですが何か芋の周囲でやたら繁茂してます。
サツマイモのつるを植える時って、
「つるの本体から葉っぱが分岐してる部分」を土に植えないと芋ができないので、
つるが長く育ってくれないとちょっと困るんですが
きっとなんとかなるでしょう。
いざ植え付け!
その後1ヶ月程待ってみたんですが、なんとかなりませんでした。
つるは全然伸びないまま、葉っぱだけが増えるような状態。
しかしもうこれ以上待ってたら植え付けの時期を完全に逃してしまうので植え付けを敢行する事にしました。
この時点で既に7月下旬、下旬というか末。
普通サツマイモの植え付けって関東は5月中にやるらしいので2ヶ月遅れという事になります。知らないよそんなの。
植え付けの写真も無くて恐縮なんですが、植え付け方法は
「サツマイモの芽を、根本から根っこごと芋から引きちぎって植える」
という感じで植えました。つるを切り取る形で採取せず、根っこが着いた状態で根本からちぎって植えたほうが早く定植するかなーと思ったので。
植え付けの深さは、芋づるの「ふし(葉っぱの分岐点の根本)」が2個か3個くらい土に埋もれるように植えました。
私の芋づるは「茎」の部分が異常に短い為必然的に葉っぱごと土に埋まる感じになっちゃいましたが、なんとか頑張っていただきましょう。
見た目としては土の上に芋づるの先っちょがちょこっとと、葉っぱが1、2枚出ているだけのビジュアルになってしまいました。
大丈夫かコレ?
一応植え付けから5日くらい?は水やりだけ1日1回やりました。
ちなみにですが、植え付けに際して土壌の改良等は一切やりません。救荒作物の本領、見せてもらおうか。
その後・・・
7月の末に芋づるを芋本体からパージし、植え付けてから約1ヶ月。
私の植えた頼りないお芋ちゃんの芋づる達はどうなったかと言うと
はちゃめちゃな成長をしていました。
植え付けから1ヶ月弱でここまでの繁茂っぷり、ちょっとびっくりです。
それに思ったとおり、サツマイモのつるがのびている部分は雑草が生えませんね。
1枚めの写真がわかりやすいです。芋の葉っぱの奥は全部雑草ですから。
芋を食う、食わないはともかく雑草防止としては優秀です。
雑草の防止が目的なら芝生でも植えろって話ですけどね。
一つ予想外だったのは余りに成長がすごすぎてネギを飲み込みかけているという事。
まぁ、このネギも別に食わないで放置した結果2年くらいそこで生き延びて巨大化した小ネギなので別に飲み込まれても惜しくはありません。
ウソみたいですが写真1枚目の手前に写っているネギの塊、これ小ネギですからね。
普通の白ネギじゃないですよ。小ネギです。放置しすぎた結果白ネギみたいなサイズになっちゃいました。
所で芋づるの成長が本当に激しすぎる気がするんですが、これつるボケしてないだろうな・・・?
そして本来であればこれくらい芋づるが成長した時点で「つる返し」という作業が必要なんですが、当然行いません!面倒だからね!
この「つる返し」をやらないと、地面を貼っている芋づるの節から根っこが出て土に潜り、その部分にも芋が発生してしまい小さい芋が大量にできて栄養が分散し、まともな芋が収穫できなくなると言われていますが
その時はその時です。
収穫の時は来た
さて、8月の時点で既につるボケ疑惑のあったサツマイモですがそのまま成長を続け、11月20日になりました。
植え付けから数えて約110日程になります。その後も芋づるは成長を続け、ネギは完全に飲み込まれてしまいました。
本来であれば150日くらいは芋の成長に必要みたいですが、どーせこれ以上待っても気温が低いせいで成長しないだろうし、霜が降りたら全ての芋が腐るので掘ってしまいましょう。
掘る前に写真を取り忘れてしまったので、上の写真は左半分の芋づるが無くなってしまっていますが
ここまで茂り放題茂りました。つる返しをしなかったせいで芋づるが地面に張り付き、剥がすのにメチャクチャ体力を使います。
余談ですがサツマイモを栽培する原動力というか、栽培した時の醍醐味ってやっぱり「芋掘り」ですね。非常に楽しいです。
逆に芋掘りを楽しめない人にとっては、ただただ腰と指先を酷使するだけの辛い作業になってしまいますが
芋掘りが楽しくない人なんていないので無用な心配ですね。
つるを辿って辿って、根本を発見したので掘ってみます。何か見えますね。もしかして芋できてる・・・?
なんと、
完全放置での芽出し
完全放置での栽培
当然つる返しもナシ
しかも栽培期間が短い
という人間だったらネグレクトで通報されてもおかしくないレベルの放置っぷりで芋ができていました!
すごいぞサツマイモ。しかしやはり期間が短かったせいか、写真2枚めのような小指サイズの芋もありました。
あと40日あればこれも成長したんでしょうか?
しかもただ芋ができただけではなく、
クソデカお芋さんです。びっくりするほどデカい。
というか、成長が激しすぎたせいか、水分が多すぎたせいか分かりませんが芋がパックリ割れているのもいくつかありました。
水やりしてないんですけどね。雨多かったからかな。
大収穫です。2株からこれだけの量が取れました。何株植えたか正確には忘れてしまいましたが
確か10?か12?株くらい植えたので結構な量になりそうです。
(このあと8株くらい掘った所で腰が爆発したので途中でリタイヤしました。残りの株は掘るか、放置して腐らせるか決めかねてます。だって腰痛いし。)
これで結論でましたね。サツマイモに関しては
ごちゃごちゃうるせぇ事書いてあるけど、全放置でも収穫できる!
というのが答えです。
どうでもいいですが、サツマイモの根っことか芋から出る白い汁、アレ手につくととんでもなくベタつく上に洗っても全く落ちないので注意が必要です。
収穫後の試食
という事で、芋掘りをした後は試食をしなければなりません。
一般的に、サツマイモって収穫直後は甘くなくて、1ヶ月程寝かせる事で甘みが出ると言われていますが
いい機会なのでそれが本当かどうかも確かめてみることにしましょう。
そして洗って蒸したものがこちらになります。
新生児の顔くらいあるデカイ芋は蒸し器に入らないので小さめの芋をチョイス。
蒸し器で蒸して食べてみた結果・・・これは・・・。
全然甘くねえな。
いや、甘くないというよりむしろ
味がしない。
なんだろう、買った芋って、甘くなくても芋の風味とかそういうのはありますが
この収穫したての芋に関しては風味も甘みも味も何一つ感じません。
芋の形をした虚無ですね。私、生まれて始めて虚無を食べました。
いや、冗談も誇張も抜きで本当に味という味がしません。
収穫したてで水分たっぷりなお陰か、食感事態はネットリシットリしてて非常に口当たりが良いんですが
なにせ味が無い。ぜんっっっぜん美味しくないです。
仕方がないのではちみつと醤油で煮て食べました。その結果
「味のない何か」から「はちみつ醤油味の何か」になったのでギリで食べることができました。
やっぱり芋は収穫後少し寝かせないとダメみたいですね。
という事で、いかがだったでしょうか?
大量に収穫できても長期保存が可能、おいしい、掘るのが楽しい、屁も沢山出る、紫、意外と高級品(買うと高いよね!)
と、いいとこだらけのサツマイモの唯一の欠点、
「芽出しとつる返しが面倒くさくて、苗(つる)が高い」というデメリットを完全に克服する事となった今回の試み、大成功と言えるでしょう!
ぜひ皆さんも自宅の余ったスペースでサツマイモを栽培してみて下さい。ではまた次回。